晩秋から初冬にかけて寒さ深まるこの時期に、シャワー浴だけというのは、なんともはや情けなく、うら悲しく、寒々しいものです。毎回、足バケツにお湯を入れて、フットバスしながらシャワー浴びていましたが、うすら寒いわが家の風呂場では、まったく快適とはいえないバスタイム。
風呂なんかいつでも入れる、と思うと、今日は眠いから明日にしよう…と、ついついシャワーだけになることも多いかと思いますが、絶対入るな!となると、さて、皆さん、どうでしょうか?
夏はシャワーが多くなるとしても、真冬もシャワーだけという方は、そうそういないかもしれませんね。ちなみに、私はオールシーズンお風呂派です。
もともと、陸上より水中のほうが快適という性向もあって、水にはいるのは好きなのですが、昔は、お風呂自体にそれほどこだわりはありませんでした。
そんな私が、お風呂=入浴習慣を見直すようになったのには、きっかけがあるのです。
もう15年ほど前になるでしょうか。
まだ日本語教師だった頃のことです。
インド旅行を計画したとき、せっかく3週間インドにいるなら、物見遊山だけでは面白くないと、アーユルベーダのセンターで、2週間のトリートメント(マッサージ)トレーニングを受けることにしたのです。南インドのIVACという施設でした。(当時は研修料金も格安でしたが、今はお高いみたいですよ)
センターに泊まり込んで、毎日、午前と午後、プライベートレッスンで研修を受けました。
ご存じのように、アーユルベーダの施術というのは、けっこう力がいります。なよなよ撫ぜててはいけない。しかも、ストロークも長く、セラピストにはかなり負担のかかるマッサージです。
御年50過ぎのオバサンが、毎日これを練習すると、まあ、どうなるか、結果は見えてますよね。
はい、腰を痛めてしまいました。(*_*;
で、腰が痛くて練習できない~と泣きつくと、じゃ治療しましょう、ということで、当然ながらアーユルベーダ療法での治療が施されました。
うつ伏せで寝かされて、まず、腰のあたりに小麦粉かなんかで土手を作っていきます。
その小麦粉プールの中に、温かい液体を流し込むと、ときおりガーゼでゆらゆらと揺らす。これだけ。
そんな簡単な施術だけど、これがまた死ぬほど気持ちよくて、温泉に入ったとき思わず出る「はぁぁ~~」という安堵の声がもれそうなほど、リラックスする施術でした。
そのとき、強く思ったのは、
これ、温泉入るのとおんなじやない??
ちなみに、帰国してからこの施術を調べてみたら、カティバスティという施術だったようです。
画像みつけました こんなの |
そんな特殊な療法を受けられたこと自体、怪我の功名だったかもしれませんが、そのおかげで、風土の違いというか、その土地に根差した、健康法、治療法というのがあるんだということを、身をもって知りました。
すぐにでも帰国して別府の温泉に飛び込みたかった!
全身浴の習慣があるのは、地球上で日本だけとも言われています。
私たちにとってはあまりに当たり前なので、ありがたさなんて何も感じられないかもしれませんが、よその国では土手作ってまで局所を温めてるんだと思うと、一発で全身を癒せるお風呂や温泉がどれだけありがたいか、もっと知ってもらいたいと切に願います。
帰国後は、すっかりお風呂マニアとなり、温泉の本やら入浴検定のテキストなども読みあさりましたよ。
温泉は言わずもがな、自宅のお風呂の入浴だけでもこれだけの効果があるそうです。
1.温熱効果
血のめぐりがよくなることで、酸素や栄養を含んだ新鮮な血液が全身をかけめぐり、血液中の老廃物や二酸化炭素が運び去られます。全身浴でじっくり温めるからこそ起こる現象で、シャワーだけでは効果は下がります。
2.静水圧効果
お風呂に入ると「ふぅ〜」と息がもれることがあります。これは、お腹やお尻が水圧で縮む静水圧によるもの。この作用が全身への穏やかなマッサージ効果を生みます。むくみの解消にも効果的です。
3.浮力効果
水の中では浮力がかかり、体重が軽く感じられます。水中での体重は、なんと約10分の1。全身を支えていた関節や筋肉が重みから解放され、全身がゆったりとリラックスした状態になります。
私は、こういう公式な効果のほかに、静電気除去効果もあるように思います。
現代人、とくにオフィスで働く人たちは、電子機器に囲まれて一日を過ごすことが多く、相当な電気を体に溜めてしまいます。全身浴は、それを一気に放出する効果もあると思います。(個人的見解です)
ただし、高温浴は体に良くないそうで、40℃くらいのお湯に10〜15分ほど浸かるのが、一番むりのない入浴法と言われています。そうすることで、体温は約1℃上昇するらしいので、寒い日や疲れた日は入浴で体温を上げておくと、体力回復や病気予防につながります。
風呂がめんどうという方の多くが、入浴と、体や髪の汚れを落とすことをワンセットでとらえているように思います。ふたつは別物と考えると、入浴(全身浴)の敷居も低くなるのではないでしょうか。
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